安達和治インタビュー


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愛知県市平町に拠点を構える安達和治さん。
「私のしごと、私のうつわ」展に向けて、料理好きな安達さんらしいうつわが生まれてきそうです。

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花田:5月の展覧会に向けて色々考えてくれました。

安達:「そばを楽しむ」です。

─ 安達さん、自分でも蕎麦打ちます。この間はごちそうさまでした。美味しかったです。

安達:で、「どんな食がいいかなあ」と考えた時に、豪華なよそいきの食事よりも、
日本人独特の食べ物で、しかも暮らしになじむようなものが良かったんです、「しみじみ」と(笑)。
それならそばやお茶漬けだろうと。茶漬け用に土瓶、小付にするとかね。でもそばにしちゃった。

─ 安達さん、いろいろ料理されます。

安達:まあね。で、テーマは「しみじみと食べる」(笑)。

─ 安達さんにとっての「わたしのうつわ」は「食」が起点ですね。

安達:僕は雑器を作っているので、食卓で活躍してほしいもの、ってことです。

─ うつわづくりを始めたきっかけは何かあったのですか?

安達:10年経ちますけど、たまたまかな。

─ 最初から織部などですか?

安達:元々はクラフト系が好きでした。民芸調のね。
最初はきっちりしたものが好きだったんだけど。 色もマットの黒とかグレイとか。
でも織部の地元だし、美濃の土使っているなら、
伝統の釉薬を使って、やっていこうかな、って考え始めた。
でもモダンな雰囲気を持たせながらね。

─ うつわ作りで大切にしていることは何ですか?

安達:うーん、いろいろあるけど、でも所謂こだわりなんてものはないです。
で、少しでも多くの人に自分のうつわを使ってもらえればそれでいいんです。
あせらず、よい物を作っていこうと。なかなか難しいですけど。

─ 安達さんのうつわってちょうどいいんです。
造形のバランス、織部でいえば緑の深みやら・・・。
やり過ぎないところが魅力です。
安達さんが料理を盛り付けるのを大切に考えていること、良く分かります。

安達:料理、好き。大好きです。

─ 料理しているとき、気分良いでしょうね。

安達:気分良いと言えば酔っ払っている時だけど(笑)。

─ 自覚がない時ですね(笑)。幸せや不幸をいちいち認識しているときってのはそれほどでもないのかもしれません。
あれ、雪ノ浦さんのうつわですか?

安達:そうですよ。花田さん行った時買ったんですよ。

─ 色々あって楽しいですね。

安達:そう、人が作ったうつわも使っていると楽しいよ。さて、そろそろ焼けたかな、五兵餅。

─ 美味しそう・・・

安達: うまいですよー。

─ 安達さんのところには何か美味しいものを食べにくる感じなんですよね。
遠慮なくいただきます。
安達さん元々こちらのご出身ではないですよね。

安達:生まれは栃木です。

─ じゃあ、こちらの食べ物は初めてだったのですね。

安達:そう、はじめてですよ。

─ あ、この漬物も美味しいです。

安達:そうそう、お茶が進むんですよ。

─ このこんにゃくも美味しい・・・。

安達:作ったばかりだからそのまんまです。

─ 臭みがないですね。

安達: 昨日ね、明日お客さんくるんだけど、「こんにゃくないですか」って聞いたら「今日作りました!」って。

─ そういえば、ここ来る前に安江さんのところ行ってきたんですけど、
「この間、安達さんのところ行ってきた」って言っていました。
そういえば、安江さんの工房にはずいぶんとメモが残っていましたよ。
うつわの寸法だとか、釉薬の配合だとか。

安達:僕にはできないな。

─ たしかに安達さんが細かく数字をメモ取っている姿は想像できません(笑)。



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