吉岡 将弐の『今』―第2回 新作展を控えて―


吉岡 将弐の 『今』
第2回 新作展を控えて

吉岡将弐さんは今年 新しい工房へ引っ越しました。
金沢近郊の住宅地を離れ 隣町白山市の緑広がる田園地帯での制作が
新たに始まったのです。
そこは 一歩外へ出ると新鮮な空気いっぱいの恵まれた環境です。
吉岡さんのうつわ作りは 細密それでいて柔らかな筆遣いが求められるもの。
神経をすり減らしていくそんな日々を思い
この地が選ばれたのもうなづけます。

吉岡将弐の今 新作展を控えて
吉岡将弐の今 新作展を控えて

それにしても昨年2月の初めての個展は
自身にとって思い出深いものになりました。
もともと謙虚な吉岡さんです。
自身の仕事がより手間を掛けているわりには
地味な印象を持たれていることは十分自覚しています。
特段の主張があるわけでも無くはたしてお客様に評価して頂けるのかと
不安な気持ちでいっぱいだったのです。

吉岡将弐の今 新作展を控えて

ところがふたを開けてみると
自らの思いとはまったく違っていて
個展会場で挨拶している吉岡さんに
「久し振りに見る本格的な伊万里のうつわ、待っていたんです。」
「精魂込めた丁寧な筆遣いに胸打たれます。」
「古伊万里染付けのうつわを一度使ってみたかった。」
「是非この染付けを続けてほしい。」
と思いがけない熱い言葉を沢山掛けて頂いたのです。
熱心なお客様の中には自宅で使用中の古伊万里を持参して
「料理が栄えて使い易い、これを本歌にした『模し』を作ってほしい」
というリクエストをなさる方もいらっしゃいました。

過去共に厳しい修業の道を歩んでいた仲間にしても
あまりにも労苦が多くみのりも少ないことから
この仕事を殆んどが避けてしまう有様です。
そんな中唐草を中心とした古伊万里の文様を描き続けることこそ
自らの使命と心得 果敢に取り組んできた吉岡さんです。
それだけにこの反響は望外の喜びでした
自分が無我夢中でやってきたことは決して間違ってはいなかった。
これは大きな自信となり勇気付けられるものとなりました。

10月24日からの個展を前に 準備もいよいよ佳境に入る頃であろうと
9月中旬 白山市の工房を訪ねました。
工房の扉をガラリと開けると
室内は絵付けを終え本焼きを待つ無数の生地が山積みの状態です。
吉岡さんはその中でうづくまるようにして絵筆を執っていました。

吉岡将弐の今 新作展を控えて
吉岡将弐の今 新作展を控えて
吉岡将弐の今 新作展を控えて
吉岡将弐の今 新作展を控えて

移転したばかりで工房としては十分な整備はなされていません。
ましてや空調の完備など望むべくもないのです。
今夏の桁外れの炎暑には連日耐えながらの物作りであったと述懐します。
我を忘れて絵付けに没頭してしまうのですが
気が付くと汗が腕をつたって肘からポタリポタリと
落ちていることもしばしばでした。

そんな厳しい状況の下でしたが
予め心の内に準備していた古伊万里の名品、珍品に
吉岡さんは着々とチャレンジしてきました
個展でのお客様との語らいや約束のなかで
何とか実現させたい楽しいもの面白いものを胸に描いておいたのです。
『捻りの市松文が表面いっぱいにあしらわれた中皿』
『畦道で仕切られた田の細密文様がお洒落な輪花皿』
『細密幾何の絵変り丸文が印象的な八角鉢』
をはじめ数々の新作が既に仕上がっています。

吉岡将弐の今 新作展を控えて
吉岡将弐の今 新作展を控えて
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一方 目を転じると仕上げの本焼き窯が待たれる
絵付けを終えた生地も待機しています。
『小気味良い絵変わり猪口』
『取り皿でも珍味皿にも使い勝手抜群の唐草小皿』
『飽きのこない唐草文様の飯碗』
『心尽くしの酒肴には八角小付』
『旬の焼き魚には山水の長角皿』など
見てみたい 手にしてみたい 使ってみたいと
染付けのうつわが好きなお客様にとって
何とも興味をそそられる逸品が満載です。

吉岡将弐の今 新作展を控えて
吉岡将弐の今 新作展を控えて
吉岡将弐の今 新作展を控えて

間もなく暮れから新年にかけての宴の季節がやってきます。
今や遅しと出展を待つ 吉岡さんの渾身の新作うつわが
この時季 華やかな役割を見事に果たしていってくれることでしょう。

待ち遠しい第2回 吉岡将弐古伊万里染付け展です。



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