工房を行く~林京子 直前訪問記~



2月6日(水曜日)に始まる「幸せなうつわ 幸せな時間 ―林 京子新作展―」
10日後に控えた昨日、最終打ち合わせの為、
石川県能美市に林さんご夫妻を訪ねました。

金沢から高速道路を使い、車で40分程のところに工房はあります。
前日の大雪で、行く先々雪に覆われています。
雪道の運転に不慣れな私は、やっとの思いでの到着、
でも出迎えたご夫妻の屈託のない笑顔に、いつしか心が和んでいきます。

花田の検品室にずらりと
並んだ新作の数々。
林さんご夫妻。
うつわそのままの人柄です。

実を言うと、今回の新作展のうつわは年明けから続々と入荷し、
既に大半は花田のもとにあるのです。
約220点の大量の新作、
それを去年のうちに七月と十一月の2回に分けて発注し、
それを8カ月かけて11回の窯焚きを重ねて制作していくのです。
「あと2回の窯焚きですべて完了というところです。」
目標の9割がたをやり遂げている安堵感からか、
ご夫妻のほっとした姿が印象的でした。

楽しい絵付けの数々。 窯出しをしたばかりのカップがずらり。

今回も、飯碗、マグカップ、 湯のみ、中皿、長皿、小皿等、
日々の食卓に頻繁に登場するうつわが中心になります。
それに加えて今回注目したいのは、
18種類もある絵変わりの小筒、スープやシチュー鉢、ピクルス皿というところです。
特に、絵変わりの小筒の楽しさは特筆もので、
工夫次第でどんな使い方をするか、
その姿、形を見ると、直ぐにでも持ち帰りたい気持ちになります。

またまた見逃せないのが、鰈、飛び魚、うずら、茄子、
瓢箪、ドングリ、向日葵、たんぽぽ等など、
うつわを魅了する鳥や魚、小動物、花や実など、
ユーモラスでお洒落な動植物文様の絵付けです。

窯を覗くだけでワクワクしてきます。 今回の目玉、絵変わりの小筒です。

殆ど林さんの独創的なアイデアによるものですが
夫妻揃ってバードウォッチングと撮影が大の趣味というだけあって、
動物の微かな動作も見逃さず、
文様に巧妙に取り込んでいるのは流石というところです。

うつわ作りは本当に楽しく大好きと言われる林京子さん。

試作品作りから始まり約10カ月、
すべてを傾注して作り上げたホットで新鮮な”林ワールド”・・・・。
高まる期待を胸に、雪に覆われた温かな工房を後にしたのです。


■企画展名
幸せなうつわ、幸せな時間  林京子 新作展

■開催期間・場所
期間 : 2013年2月6日(水)~ 17日(日)  ※期間中無休
場所 : 「暮らしのうつわ 花田」 2Fギャラリースペース

■展示内容
小皿、取皿、角皿、楕円皿、ピクルス皿、大皿
小鉢、盛鉢、シチュウボウル 湯呑、汲出、小筒 飯碗、丼 新作200種類

■作者プロフィール
武蔵野美術短期大学卒業
武蔵野美術大学専攻科卒業
横浜市陶芸センターに助手として在籍
九谷青窯に在籍
独立

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