2012年9月の新作 古賀雄二郎さんの個展より


9月の「花田の新作」は、古賀雄二郎さんの個展よりご覧いただきます。




上:古賀雄二郎 灰釉楕円深皿(大)[\ 6,300]
中央:古賀雄二郎 灰釉楕円深皿(中)[\ 3,675]
下:古賀雄二郎 灰釉楕円深皿(小)[\ 2,730]

独立して間もない古賀さんがうつわをたずさえ、花田を初めて訪れてから23年が経ちました。
たまたま花田にいらしていた白洲正子さんが、
古賀さんの大鉢を見て「いいじゃない。何を盛ろうかしら」と呟き、
「頑張りなさいよ」と励まされたのもその時でした。
厳しい目を持つ白洲正子さんに「頑張りなさいよ」と直接、声を掛けられることが
工芸に携わる当時の青年をどれだけ奮い立たせたことか。想像するに余りあります。

それ以来、古賀雄二郎さんと花田の付き合いは続いています。
その数十年で人々の食習慣や食卓、そしてそれらを囲む風景も、従来に加え違った色を見せるようになりました。
古賀さんのうつわづくりも、それらの流れに逆らうことなく進んできています。
フォルムのバリエーションが大幅に増え、土鍋も作るようになりました。
また、自身の研究も進み、釉薬の種類が増え、薪窯をより自在に活かすようになりました。

今では数百種を超えるようになったうつわづくりですが、
古賀さんの仕事に対する姿勢や、うつわの魅力や雰囲気は23年前と一緒です。
柔らかく、暖かく、使いやすく、常に洗練と野趣を具えたうつわを適切な価格で提供するという、
至極当然にも聞こえる仕事振り。
それが、意識的にも、無意識的にも、当たり前のことを当たり前に、そして丁寧に積み重ねてきたことの答えです。
古賀さんのうつわが持つ信頼感もその積み重ねにこそ由来しているのではないでしょうか。

さて、今回は昨年9月に続き2度目の個展です。
古賀さんの魅力はもちろん健在、うつわそれぞれがさらに大きく進化しています。
考え抜かれた材料や製法、鍛え抜かれた技術、
そして古賀さんならではの感性があってこその、素晴らしい新作の数々。
是非ご覧ください。


「古賀雄二郎展 -巧みの業(わざ)-」
会期: 2012年9月12日(水)~22日(土) 
午前10時30分~午後7時 会期中無休 花田ギャラリースペース(2F)
展示内容:小皿、盛皿、大皿、盛鉢、片口、他

こちらでも古賀雄二郎さんのうつわをご紹介しています。どうぞご覧下さい。

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