花月窯インタビュー 2021


黒の象嵌

花田:今回出展いただくうつわについて、まずは志村さんにお話を伺いたいと思います。
黒象嵌唐草文鉢です。(以下花田-)

花月窯インタビュー

志村:これまでは三島手など白い象嵌が主体で、黒の象嵌はあまりしていませんでした。
ずっとやりたかったのですが、黒の象嵌は、材料と焼成に課題がありました。
最近、それが解決してうまく仕上がるようになったので、今回出品することになりました。

-:この文様、唐草なのですね。

志村:はい。場合によっては「朝鮮ニンジン文」とか「ニンジン文」とか名付けられているものもあります。

宮岡:鉄絵でも、こんな感じのありますよね。

志村:鶏龍山の徳利なんかでも。

-:この唐草を描こうと思ったのはなぜですか。

志村:古典文様でよく見ていましたし、リズミカルで楽しいと思いました。
鉢のような立ちものに合っていますよね、この文様。

-:シンプルだけど、目を引きます。

志村:描くときは勢いを失わないようにしました。
あと、最後がちゃんとつながるように(笑)。

-:最後つじつまが合わないと、困りますものね。

志村:つじつま合わせを気にしすぎても、絵がつまらなくなるので、ほどほどに丁寧に。
それなので、たまにこの唐草の数がうつわによって違います。

-:使いやすそうな形ですね。

志村:名前は鉢ですが、小さめの丼としても使えるかなと思います。
にゅう麺とか…。

-:お出汁が楽しみたいですね。
志村さんたちも、もう使われましたか。

宮岡:塩豚スープの汁掛飯をいただきました。

-:志村さんの作る塩豚、美味しそうです。

志村:良いスープが出ます。
今ストーブが、ずっとついていますよね。
そのストーブの熱が勿体ないから、何か上に置きたくなってしまい…、スープ系の食事が増えます(笑)。

三島菊文皿

-:続いて三島菊文皿です。

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志村:今回の新作です。

-:文様の連続性が魅力ですし、外は刷毛目になっていて、いいコントラストです。
内側は丁寧に一つひとつ。で、外側は刷毛目で一気にしめる、という感じでしょうか。

志村:全面に菊の模様を入れたので、料理を盛った時に菊文が料理を包み込んでいるように見えるのがいいなと思っています。

双魚文

-:双魚文三島深鉢はいかがですか。

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志村:元々青磁でやっていましたが、三島ではあまりやっていませんでした。

-:ユーモラスな感じがいいですね。
目つきが可愛いです。

志村:文様の凹凸が見込みの魚とまわりの菊が逆になっているのが面白いなと思っています。

-:こちらは何に使いましょうか?

志村:煮物なら銘々、和え物なら盛り鉢ですかね。

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宮岡:家では小丼としても使っています。

-:小さめの丼だとすると、何が合いますかね。

志村:三色丼とか、ビビンバとか…。
焼鳥丼…は家ではあまり食べませんかね(笑)。
あと、おでんなんかもイイと思います。

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-:お昼などは丼ものが多いのですか。

志村:そうですね。あと麺類も多いです。パスタとか…。

-:パスタ、いいですね。
パスタは何がお好みですか。

宮岡:あるもので作ります。
カルボナーラも多いかな。

志村:そうそう、パンチェッタ代わりに塩豚入れて。

-:塩豚、大活躍ですね。

久しぶりの牡丹文6寸鉢

-:続いて、牡丹文6寸鉢です。

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志村:久しぶりに作りました。

宮岡:家ではよく使っています。

志村:盛った時、華やかなんです。
煮物のような地味なものでも、盛り映えしますし、揚げ出しなどもいいですね。

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-:志村さんの定番でもある、これより浅めの牡丹文鉢とは雰囲気が変わりますね。

志村:あれは抹茶茶碗のような意識もあったので、ハレの感じです。
こっちは普段使いでガンガン使ってほしいイメージです。
あと、これの象嵌のもありましたが、陽刻のほうが優しい感じで盛りやすいかもしれませんね。

-:それでは、展示会に向けて、何か一言お願いします。

志村:こんな時期なので、家での料理も増えていると思います。
気に入ったうつわで家の料理を楽しんでもらえたら嬉しいです。

窓から眺める冬景色

-:宮岡さん、お願いします。

宮岡:季節を意識しました。梅、桜、桃、海。

-:まず、梅文小蓋物です。
取っ手も梅になっていて、下半分は鉄で掛け分けています。

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宮岡:構図を窓枠のように考えて、窓から眺める景色のように構成しました。

-:「寒い冬日に、家の中から梅を眺める」光景が浮かびます。

宮岡:はい、暖かい部屋から。

-:金平糖を入れたくなります。

宮岡:私は梅干しで。

志村:僕はカレーに福神漬けかな。
お正月は柚子釜いくら。

-:どれもいいですね。

桜を散らして

-:さてこの花散らし小鉢、宮岡さんの作られたうつわとしては新鮮に見えます。

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宮岡:ちょっと…、フェミニンですよね(笑)。
まあ、年と共に丸くなってきたんだと思います(笑)。
あと、ずっと初期伊万里を目指してきていて、その初期の頃のものには、梅は多いんですけど、桜の文様はあまりない気がします。
それなので、描く機会も限られていたのかもしれません。
これも、いわゆる桜の絵を描きましたという感じじゃなくて、文様が散っている感じにしました。

-:さりげなく桜、という感じ…。
桜も色々な姿で登場していますよね。花だけのものもあるし、枝のあるものもあるし。

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宮岡:色々な桜があります。
うつわの外にも模様が広がっていくことを想像しながら描きました。

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-:出過ぎない感じのこの輪花も、全体のバランスを保っています。
大きさ形も使いやすそうなうつわです。
今の季節なら鍋の取り鉢になりそうだし、和え物にも良さそうです。

宮岡:なます皿のような使い方で、用途の幅が広くなるようにしました。
ちょっとしたスープみたいなものでもいいかなと思います。

二段重

-:次は二段重です。

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宮岡:何に使うにしても自由の利く文様をいれようと思いました。
可愛いらしいものだと、使うとき楽しいと思います。
ひな祭りの時なら雛あられ入れたり、お花見気分なら好きなお菓子入れたり…。

志村:お正月なら黒豆、カズノコ…。

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-:いいですね。

志村:3段だったら、田作りまでいけたね(笑)。

大好きな桃

-:桃型桃文皿はいかがですか。古伊万里にありそうな感じです。

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宮岡:そうですね。文様は初期伊万里のお皿を参考にしました。
前から文様が気に入っていたので「いつか何かに描きたいな」と以前より思っていました。

-:洒落た文様です。

宮岡:単純な模様ですけど、描き方によっては硬い感じになってしまうので、難しかったです。
これ、成形はロクロと手でやっているので柔らかい感じが出たと思います。

-:それだから型物のかたさがなく、うつわ全体に柔らかさが出ているのですね。

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宮岡:手での成型なので少しずつ形も違います。 何枚かあればその違いも楽しいと思います。

志村:桃、好きだものね。

-:果物として、ですか?

宮岡:そうです。大好きで、桃だけで生きていけます(笑)。

-:そうしたら、桃を盛りたいですね。

志村:「ももをもったももがたもももん皿」か。 「も」が多いですね。

-:(笑)。

楕円皿

-:続いて、この楕円皿です。

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宮岡:波千鳥では「荒波を乗り越える」という意味があって、縁起のいい文様だそうです。
文様としてのバランスも良かったと思います。

-:縁の絵付けを掛け分けるのもさりげなくて、いいですね。

宮岡:私は和菓子で使いたいです。

志村:ケーキもいいですね。ミルフィーユ。

宮岡:お刺身も。

-:色々出てきましたね。万能です。
宮岡さんからも展示会に向けて、一言いただけますか。

宮岡:今回は桜や梅など、自然のものを描いたものが多いので、
日々の癒しになればいいなと思います。
どうぞよろしくお願いします。

-:ありがとうございました。

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