浄法寺漆展


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浄法寺漆のうつわ

控えめに発せられるマットな艶。
しっとりとした手触り。
無地を基調とした、シンプルな意匠。
使うほどに実感する堅牢さ。

国産漆の最高峰とも言われる浄法寺漆。
そして、長い年月をかけて育った木から、
一滴一滴大切に集められたその漆をふんだんに使用し
何度も何度も塗り重ねていくことで作り上げる浄法寺塗。

漆本来の魅力が際立つ端整さと、実用性を兼ね備えた浄法寺塗は
決して特別な日だけに登場するのではない、
暮らしに寄り添う自然体のうつわです。

毎日手に取り、直接口に触れるからこそ
確かなものを選びたい汁椀。
例えば、深く澄んだ溜の色と、潔い佇まいに思わず見惚れる
浅野奈生さんの汁椀で
豆腐とわかめの、この上なくシンプルなお味噌汁をひと口。
玉縁になった口縁が、ふっとやさしく口元に馴染み
慣れ親しんだ味も驚くほど違って感じます。

普段、何気なく陶磁器を選んでいるお菜の盛り付けも
漆器に変えるだけで、食卓がきりりと引き締まります。
5寸5分という使いやすいサイズと、上品な縁の広がりが魅力の
玉山保男さんの浅鉢に
あつあつの肉豆腐をたっぷりのネギと。
保温性に優れた漆器は、寒い季節に恋しい温かな一品とも相性抜群です。
「まずはお椀から始めたい」
「お椀の次は、料理を盛り付けるうつわを取り入れてみたい」
それぞれ今の気分で選び取る漆のうつわが
食卓に新しい選択肢を与えてくれます。

天台寺の僧侶たちが、日々の食事のために作った「御山御器」が
その由来とされている浄法寺塗。
一時は途絶えてしまった浄法寺塗を再興へと導いた
岩舘隆さんらの尽力は
「日常のうつわ」という普遍的な魅力として
これからも次の世代に引き継がれていくことでしょう。


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