Episode #002 Dear WhiskeySounds Likers
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Episode #002
Dear WhiskeySounds Likers
あの音の正体は一体何なのか。
夕暮れのテレビCMから聴こえる渋いスキャット。
街の喧噪とともにグラスが氷を弾き注がれるウイスキー。
「カラン トクトクトクトク…」
ウイスキーが瓶の中で波打つ音。
心地よく温かみもあるなんともいえないその音色は、
胎内で聴いていたのかと思うほど懐かしい感覚でした。
世間では「マイブーム」が流行った年、
まだウイスキーを飲んだことがありませんでした。
あれから25年。
CMを観ている時は知りませんでした、
ウイスキーをグラスに注ぐときのトクトク音が聴けるのは、
ボトルの封を切った最初の一回だけということを。
ウイスキーは、樽の中で熟成する間に、樽のすき間から少しずつ蒸散し、
その量を減らしていきますが、その割合は年間2%から4%と言われます。
「きっとこれは天使がこっそり飲んでいるに違いない。
天使に分け前を与えているからこそ
天使が手伝ってくれて美味しいウイスキーが出来上がるのだ。」
ウイスキー職人たちは、減ったウイスキーのことを
「天使の分け前」と呼んできました。
ボトルの封を切り最初に注ぐ瞬間だけ「トクトクトク」と音が聴こえるのは
「天使の囁き」が聞こえているのかもしれません。
ずっと聴いていたい儚く魅惑的な音。
実際はというと、
ウイスキーを注ぐとき瓶を傾けますが、そのとき瓶の中が満たされていると
瓶の口をウイスキーが覆って蓋をしてしまい、空気が瓶の中にとスムーズに
入ることができず注がれるたびにウイスキーが瓶の中で波打ってしまいます。
その時に放つ音が「トクトク」の正体でした。
同じく瓶に入ったお酒で、ワインや日本酒、焼酎などから聞こえないのはなぜか。
それは瓶の形状によるもので、ウイスキーのボトルは口が狭く首が長いのに
肩が張った形状のものがほとんどです。ワインや日本酒、焼酎等の場合
ボトルの肩が張っていないので空気が入れ替わりやすく音が出にくいのです。
このボトル形状こそが音を発生しやすくする秘密でした。
今日もまた、あの「トクトク」を聴きたい。
まだ空が明るいうちにウイスキーの栓を開けて、
クリスタルのロックグラスで、
白磁の蕎麦猪口で、
ソーダガラスのグラスで、
お気に入りのマグカップで、
飲む前にも楽しみませんか。
「カラン トクトクトクトク…」
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