普段使いからおもてなしまで。手にして使う身近なものだからこそ、納得のいくものを。
そろそろ、漆。
漆の作者は、皆さん仰います。
「少しでも多くの皆さんに、汁椀を使ってもらいたい。」と。
汁椀は、和食の基本ごはんとお味噌汁に欠かせないうつわであるとともに
頂くたびに、手に持ち、口に触れるという、特徴を持っています。
お味噌汁を両手に持ち、静かに口を当て
ひと口啜った時の、あのホッとする感覚・・・
きっと誰もが経験されているのではないでしょうか。
だからこそ、本物の漆器を日常に使い、その良さを実感してもらいたい。
作家の皆さんは、そのように願うのかもしれません。
汁椀はその名の通り木へんのわん、木で出来ています。
1本の木から1客のお椀の形になるまで、長い年月をかけて削りと乾燥をくりかえすところから始まり
しっかりとした木地をつくり、そして木地師の1mmとも誤差の無い正確な木取りに進みます。
外から窺い知ることは出来ませんが、木地の堅牢さを作るのは
木地固め、下塗り、中塗り、何人もの手作業を経た誠実な仕事です。
丈夫な木地があることで、汁椀は長持ちします。
そして最後はチリひとつない、部屋で仕上げられる上塗りへと進み完成します。
掌にふわっと柔らかく馴染む驚き、
口に触れるやさしい感触、
葱と豆腐のお味噌汁って、こんなに美味しかったんだ!と素直に感じます。
澄んだ一番出汁をとるコツを覚えたり、
時には乾物屋さんを覗くのもいいものです。
汁椀ひとつで食の豊かさが広がっていくたのしみ・・・。
そろそろ、漆。
本漆の汁椀を使ってみませんか?
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